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サンパウロ市=債務261億レアルに=歳入の2倍超える=05年5月に迫る返済義務

6月26日(土)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】サンパウロ市次期政権は莫大な借金という〃時限爆弾〃を抱えることになる! マルタサンパウロ市長が二十四日に言明した。
 これは、三年半にわたった同市長在任中の「決算報告」の中で明らかにされたもので、全般的に市施政はポジティブな結果をみた中、唯一ネガティブだったのが二百六十一億レアルに膨れ上がった債務だという。「だからといってサンパウロ市を止める訳にはいかない。誰か妙案はあるのか?」と記者団に対して開き直った発言をした。
 関係筋は、今回の決算報告と同市長の発言は十月の市長選挙に向けたものだとみている。来週から始まる候補者のテレビ討論会に先立ち、現市制のこれまでの成果を発表するとともに、この借金の〃時限爆弾〃を取り除く自信をほのめかして他候補を牽制しようとしたものだと指摘する声が多い。
 サンパウロ市の債務(連邦政府からのもの)は、法律では歳入に対して上限が定められており、超過分は即刻返済することになっている。しかし暫定措置として、上院はこれを二〇〇五年五月までたなあげすることを取り決めている。このため、新市政権が発足する〇五年一月の四ヵ月後に債務返済という〃大仕事〃が待っている。
 現行法律では、市の債務は年間収入の一二〇%が上限と定められている。これに対しサンパウロ市の債務は現時点でこの上限の二倍に膨れ上がっている。このため、〇五年五月以降、サンパウロ市は年間予算の四分の一を借金返済にあてなければならない。
 同市長によると、この債務は前ピッタ市長が返済するべきものだったが、前市長が当時のカルドーゾ大統領と交渉して〇二年の十一月から分割返済することで合意したのが尾を引いているという。(前市長の任期は九七年から二〇〇〇年まで)。その後、現政権は支払い免除措置となったことから払っていない。その間、本来の年利六%が九%(債務契約の条件)になり、金利分のみで四十億レアルの債務増になったという。
 これに対し前ピッタ市長の報道官だったアンテノル・ブライド氏は「マルタ市長はこれを全て承知の上で立候補して政権を担った筈だ」と弁明した。