6月26日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】ブラジルの自動車生産マップが大幅に塗り替えられた。昨年までの十三年間でそれまでの生産拠点は四州から七州に拡散した。現在二十八都市に四十八工場が稼動しているが、そのうち二十二工場は過去七年間に設立されている。
九〇年の自動車生産は、サンパウロ州が七四・八%、ミナス州が二四・五%と国内シェアーの九九・三%を占め、残りはパラナ州が〇・五%、リオ・グランデ・ド・スール州が〇・二%だった。
サンパウロ州を選んだのは九七年以来、ホンダ、トヨタ、ランド・ローバーの三社のみ。これにより、従来の七四・八%から五三・三%となった。ミナス州はフィアット、イベコ、メルセデス・ベンツが進出したにもかかわらずシェアーは二四・五%から二〇・一%に下落した。パラナ州は〇・五%に甘んじていたが、積極的な誘致が功を奏し、ボルボ(トラック)、フォルクスワーゲン/アウジルノー/日産の進出で一気にに第三位の七・六%に上昇した。さらにクライスラーが三年目に工場を閉鎖していなければシェアーは増えていたことになる。
既存のシェアホルダーで残るリオ・グランデ・ド・スル州もGMの進出で六・六%となった。
新規参入組では、リオ州はフォルクスワーゲン(トラック)、プジョー、バイア州はフォード(当初はリオ・グランデ・ド・スル州を予定していた)、ゴイアス州は三菱がそれぞれ工場を建設した。これにより〇三年の時点で、前述の既存四州以外のシェアーは、バイア州が七・五%、リオ州が四・一%、ゴイアス州が〇・八%となった。
マップ変動は、各州が税制優遇措置などによる積極的な誘致のほか、これら工場への原材料・部品メーカーが同時に進出したのが要因となった。いわゆる工場の「団地」が自動車工場に併設された訳で、各州政府筋は税収、雇用の増大など思わぬ「副産物」に満悦している。