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日本語はビジネスになる=ブラジル校に導入する動き=異文化理解の必要=日系人生徒も獲得したい

6月29日(火)

  日本語はビジネスになる──。非日系人経営のブラジル学校に日本語を導入する動きが広がりを見せはじめている。もちろん、アニメやマンガなど日本文化への関心の高まりが原因のひとつだ。ブラジル経済が停滞、学生が公立校に流れる中で、中産階級に属す日系人生徒の獲得も大きな目的になっている。

 地下鉄サンタ・クルース駅近くのコレージオ・マリスタ・アルキヂオセザノ。五千人以上の生徒を抱えるマンモス校は、〇二年に選択科目のひとつとして、日本語を入れた。日系人集住地域に立地していることが最大の理由だった。
 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)の学校区分では聖南に当たり、域内では、十二校の日本語学校(会員校のみ)が営業している。日系人生徒の獲得を目指して、あえて、参入を決めた。
 生徒の半数ぐらいが一日中、学校で過ごす。日本語を教えたら、結構、うけると判断されたのだ。教師のケイカ・アベ・ナツメダさん(二世)は「アニメやマンガの好きな学生が多く、校長のかねてからの願いでもありました」と話す。
 生徒数はまだ、十五人。聖南では、四百~五百人と言われ、同区内の市場の三~三・七五%しか持っていない。将来は、看板科目に育てていきたい考えだ。
 「日本語を勉強した生徒は、人の言うことをよく聞くと評判です」とナツメダさんの期待は膨らむ。
 私立の有名進学校コレージオ・ヴィップは今年、開校九年目になる。開校当初から、日本語を選択科目に加えた。
 ヤスコ・ヤスダ・ヒデシマさん(講師)は「日本語があるから、入学を希望してくる生徒がいます」と自信をのぞかせる。
 幼稚園から高校までの全校生徒約二千人のうち、百八十三人が日本語を学ぶ。非日系人の姿も目立つという。
 校舎はジャルジン・トレメンベ区とイミリン区にある。いずれも、日本人居住者の多いツクルビやサンターナに近い。日本語を学習するため、自動車で三十分以上かけて、通学する生徒もいるそうだ。
 ブラジル学校の動きについて、日本語センターは「ブラジルがグローバル経済に組み込まれていく中で、異文化理解が必要とされている。学校の身近な存在として、日系人が考えられているのではないだろうか」とみている。