ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

優柔不断のブラジル政府=米国の投資を妨げ=前向きな投資環境の整備を=マクロ経済政策は妥当

6月30日(水)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】伯米商工会議所のマーク・スミス副会頭は「ブラジル丸は船頭多くして船山に登り、ブラジルの発展を妨げている」と批評した。ブラジル政府は優柔不断で、米国の投資家をイライラさせ、ブラジルへの投資が増えない理由となっているという。

 九〇年代後半のブラジル・ブームは終わり、今は草木もなびく中国と唄われる。中国の経済成長率一一から一二%は、ブラジルのマイナス〇・二%と比べるべくもない。ルーラ大統領はブラジルの企業家四百五十人を引率して二十四日、直接投資の誘致でニューヨーク詣でを行った。次は同副会頭とのインタービューだ。
 【対伯投資促進のための忠告は】米投資家のブラジル評は、電話部門の行政運営遅延などが影響して現状維持に留まったまま。ブラジルの経済発展のためには、もっと鮮明で魅力的な投資条件の青写真を見せることが先決だ。関係官庁には多数の案件が議会の承認が不要のものまで、未決のままほこりを被って放置されている。
 ブラジルへ進出している米系企業七十五社は、ブラジル人二十一万五千人を雇用し、十大輸出企業のうち五社は米系。米国の投資家は、ブラジルとくびきを共にしている。こんな背景の中、ブラジルのミクロ政策と前向きな投資環境整備に勇気ある決断を期待する。
 【米国の対伯投資は三百九十億ドルから三百十億ドルへ減少したが、ブラジルの将来をどう見るか】不況から抜け出したことで、マクロ政策の妥当性は実証された。投資家はブラジル経済が第二回戦に入り、ミクロ政策に成功すれば、先行きは明るいとみる。政府がこれに、どう取り組むかを注視している。民間企業の実力も、注目の的。
 【公共サービスの価格統制政策を、どうみるか】民間企業と公共サービスの兼ね合いもあり、共存共栄できる魅力的で分かりやすい経済政策を立案することが、ルーラ政権の腕の見せ所となる。今後の国際金融の対伯投資の動向もかかる最も重要な点でもある。
 【ルーラ政権十七カ月の評価は】一歩下がって観察すると、大きな課題を背負っている。ブラジル国民の要求と既存投資家や新規投資家のはざまで、政府は双方が納得する財政黒字策を立案できるかどうかに政権の評価がかかる。
 【有望なアジア市場を前に、ブラジルの位置付けは】 九〇年代とは投資環境が全く異なることを、ブラジルはもっと認識する必要がある。特にブラジルの魅力は農業分野で、大口投資を期待できる。他にも将来有望視されている分野は多数あるが、これからの発展次第にかかる。いつも中国の経済成長率で比較されるから、マイナス成長などでは世界から取り残される。
 【現在の経済活性化は持続可能か】マクロ政策の成功により政治的問題は別として、財政黒字の確保と債務の暫時償却が行える構造ができ上がったのは評価できる。次に懸念するのは、ミクロ政策での試行錯誤。これに成功すれば経済成長率五%も可能だし、一連の財政改革よりも有効な成果があると思う。ブラジルへの投資も見直される。
 【大統領府の決断が遅いのは】複雑な要因が絡んでいることとPTの体質、党成立の経緯が即断即決の妨げとなっている。PTは、船頭が多すぎるのだ。
 【上院での与党敗北と今後は】投資家の手前、政府は果敢に振る舞えないのだ。多数の要因が絡み合った政治リスクが、政策の足かせになって苦戦は続く。
 【〇四年のブラジルへの投資予想は】ベル・ソースやBCPが競売されれば、電話部門に投資が行われる。それ以外は、特殊部門を除いて現状維持と思われる。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button