ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

ここだけの小話

6月30日(水)

  【スセッソ誌】泥棒の親子がいた。息子の泥棒がある日、「オレも一人前の泥棒になりたいが、極意を教えてくれ」といった。父親の泥棒は「今夜、教えるからついてこい」という。親子は夜、ある家へ忍び込んだ。父親は家具を倒し息子を家の中に残したまま、一人で外へ逃げ出した。
 家人が目を覚まし「泥棒、泥棒」と騒いだ。息子は驚いて物陰に隠れた。家人は確かに音がしたのは、この辺だったという。主人がその辺に、油をまいて火を放ってみろと命じた。
 息子は焼き殺されると思って、思わず「チューチュー」と泣いた。家人は「なんだネズミだった」といって引き揚げた。息子は命びろいをして、家まで逃げかえった。「クソ親父、よくもオレを丸焼きにしてくれる所だった」と、息子は父親に食ってかかった。
 父親は「泥棒の極意を教えたのだ」と答えた。窮地に陥ったとき、独力で抜け出して一人前だとさとした。人生の処世術も同じで、瞬間にひらめく知恵が大切なのだそうだ。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button