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弱小チーム、名門を下す=コッパ・ド・ブラジル=サントアンドレー初優勝

7月2日(金)

  ABC地区の弱小チームがリベルタドーレス杯出場へ――。国内の有力クラブが勝ち抜き形式で争うコッパ・ド・ブラジルの決勝戦が六月三十日、リオデジャネイロ市のマラカナン競技場であった。サントアンドレーが二対〇で名門フラメンゴに完勝し、初の優勝を勝ち取った。大会規定により、サントアンドレーは来年のリベルタドーレス杯出場権を得た。
 サンパウロ市内で行われた第一戦を二対二で引き分けていたため、フラメンゴは勝利はもちろん一対一の引き分けでも優勝が決まる有利な状況。しかも、熱狂的な応援団七万二千人がマラカナンを埋め尽くし、サントアンドレーに圧力をかけたため、フラメンゴが優位に試合を運ぶと思われていた。
 予想外のチームが勝ち進むことを「ゼブラ(シマウマ)が走る」と表現するブラジルサッカー界。サントアンドレーは、パウメイラスやアトレチコ・ミネイロなど数々の名門を葬り去り、まさに「ゼブラ」そのものの存在だった。
 テンポの遅いリオ州のサッカーに慣れているフラメンゴは、選手個人の力では上回るものの、スピーディーで組織力に優れたサントアンドレーに押し込まれる場面が目立った。
 後半七分、コーナーキックからサントアンドレーが先制すると同二十二分にも追加点を挙げ、フラメンゴにとどめを刺した。
 フラメンゴの優勝を信じて疑わない応援団は、まさかの敗北に茫然自失。ブラジル各紙は同じくマラカナン競技場で、圧倒的に有利な状況で優勝を逃した一九五〇年W杯決勝を例に出し「マラカナンの悲劇再び」とフラメンゴの醜態をあざけった。