7月2日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六月二十四日】WHO(世界保健機構)がこの程とりまとめたところによると、毎年三百万人の幼児が公害(大気汚染、汚水、食物の汚染など)が原因で死亡している。同機構は、環境の改善により二〇一五年までに、特に五歳までの幼児の死亡率を三分の一以下に減少させることを目標に掲げている。
なかでも注目されるのは、大気汚染で毎年百万人が死亡しているが、その原因のほとんどが家庭内の空気で、炊事用に台所で固形燃料(木材、木炭、生ゴミなど)を使用するためだという。これが幼児の肺炎や呼吸器系疾患を招く。五歳までの幼児の死亡者の一五%は呼吸不全が原因。ブラジルでは二七%の家庭がこの種の燃料を使用している。これはアジア、アフリカの七五%よりはましだがアルゼンチン、カナダの五%には遠く及ばない。
食物の汚染も深刻な問題で、年間百八十万人が下痢で死亡している。このうち百六十万人が五歳までの幼児。食物の汚染はコレラや腸疾患の原因となり、幼児の死亡原因の一五%を占める。全世界では十一億人が浄化処理をした上水道の給水を受けていない。ブラジルでは八七%の人に給水されている。
このほか、交通事故、就労中の事故による死亡も増加しているという。こうした不慮の事故死とは異なり、公害は予防できるものだと同機構は改善を促している。