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従業員のほぼ半数が残業=過去10年間で最高=失業者の半数分に相当

7月6日(火)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】今年に入り経済回復の兆しが顕著になってきたが、必ずしも雇用増大につながっている訳ではない。企業の雇用増は鈍足傾向だが、既存社員の残業は過去十年間で最高となった。
 サンパウロ市内の企業では週四十四時間の就労が上限だが、五月にこれを超える残業をした人は従業員全体の四七・六%に当たる三百八十万人に達し、昨年五月の二百九十万人(三八・五%)に比べ二三・六%増を記録した。各業種の労働組合は超過勤務に抗議する気配を見せているが、従業員らにとっては久々の収入増にもなるので、痛しかゆしというのが実態だ。
 企業筋によると、雇用増は需要の動向を見極めながら最後に判断することだという。第一段階として残業の増加、第二段階で臨時社員の雇用、この時点で社業が軌道に乗れば臨時社員を正社員とし待遇を大幅にアップするという。現労働法では、正社員を解雇するとかなりの経費と時間を費やすことも企業が雇用を慎重に行う原因だ。サンパウロ市労働局によると現時点の残業を新規雇用者に割り当てた場合、サンパウロ市内で九十五万人の失業者が減少する計算となる。これは失業者百九十六万人のちょうど半数に当たる。
 自動車の売れ行きが好調で輸出も増加している状況の下、部品工場も生産を加速させている。しかし例に洩れず新規採用は手控えられている。大手部品メーカーのEATON社は、五百人の従業員が一ヵ月四十時間から六十時間の残業をこなしている。またELICE社でも三百五十人の従業員でこれまでの稼働率六〇%を七五%に引き上げて対応している。航空機製造のエンブラエル社は例外で、十二月までに百六十機の納期を控え、千百九十三人の新規採用を行った。これで従業員は一万四千人余に上ったが(昨年は約一万三千人)、同社は下請け発注が多いため、生産が増えず雇用が伸びないと労組は不満を表明している。
 現行労働法では二時間の残業に対し五〇%の支払い増が義務付けられているが、CUT(中央労組)のマリーニョ委員長は、一時間の残業に対し同時間の休息を提案する意向を示している。
 商店の従業員は残業の代名詞みたいなもので、一九八八年以降四〇%の従業員が残業をしている。特にショッピングセンターの土・日営業が残業増に影響しており、なかには残業手当なしで就労しながら泣き寝入りしている従業員も多いと、サンパウロ州商業組合は指摘している。

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