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名目金利政策の過ち=不況の原因は高金利でない

7月7日(水)

  【ヴェージャ誌】ブラジル経済を研究するステフェン・カニッツ・ハーバード大学教授は、経済低迷の原因は名目(ノミナル)金利に基づいた金利政策にあると指摘した。
 五月の中銀通貨審議会(COPOM)は、国際金融の不確定要因を理由に基本金利(SELIC)を据え置きにすると発表し、各紙はおうむ返しにトップニュースで報道した。
 しかし、それまでの期間、発表までの過去一年間にどの位実勢インフレ率が進行して、金利据え置き決定に至ったのか分からない。高金利政策のなか国債については、向こう一年の名目金利が、いくらになるかも見当がつかない。
 ブラジル政府は、九四年から次月の予想インフレ率を設定して基本金利を割り出し、経済の実情がどうなっているかは関知しなかった。投資家はブラジル経済の実態には目もくれず、一年間のインフレと名目金利の予測にだけ専心した。
 例えば五月のIGP(総合物価指数)で年間実勢インフレ率を一五%とし、基本金利を一六%とする。一六%からインフレの一五%と所得税(IR)を差し引くと、実質金利はマイナスになる。これが最近の外資逃避の原因だという。
 中銀は何も説明しないから、マスコミも大切なことを報道しない。政府は高金利政策で、GDP(国内総生産)の九%の金利を支払っているように報告する。しかし、実際は〇%に近い金利しか払っていない。
 九四年以前は、名目金利ではなく透明で予測計算が容易な実質(レアル)金利であった。九四年から名目金利に変更してから、先物金利はカントリーリスクが上昇し不確定要因を生じた。レアル・プランの本当の狙いは何だったのか分からないが、それ以来高金利政策を採っている。
 中銀は金利据え置きの理由を、国際金融の不確定要因のためとした。不確定要因を作ったのは国際金融ではなく、中銀の名目金利政策を採った人たちだ。名目金利により実質金利は、月々変化して不安定になった。原因はブラジル自体にあると同教授は責める。

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