刑事部長10人を懲戒処分=エリート組、犯罪組織と癒着=責任問われるサンパウロ州連警長官=サンパウロ州
7月8日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】サンパウロ州連邦警察バルタザル長官は六日、管轄内の担当刑事部長十人の懲戒免職を決定した。同長官は同日、ブラジリア連警本部に出向き本部長に免職刑事らのリストと罪状容疑報告書を手渡した。これで、これまでに犯罪グループや悪徳商人らと癒着して職権を濫用していた刑事らを摘発し、腐敗した警察所内にメスを入れてウミを一掃したことになるが、同長官を監督不行届きとして非難する声も強まっている。
懲戒処分となった十人全員は、海岸警備、入国管理、金融犯罪、社会福祉犯罪、政治犯罪、地域管轄のトップで、国内最大規模の捜査陣を指揮するエリート組刑事部長だ。当初は七人の刑事部長の疑惑が表沙汰となったが、その後の調査で三人の犯罪も明らかとなり合計十人が〃一網打尽〃となった。
ブラジリア連警本部によると、これまでにサンパウロ州内で三大犯罪と呼ばれる事件の摘発はすべて本部が他州の連警を動員して極秘裡に捜査して逮捕にこぎづけたもので、犯罪者と癒着しているとみなされたサンパウロ州連警は蚊帳の外におかれた。なかには新聞・ニュース報道で逮捕を知った署員もいたという。第一の事件は裁判所の判事達の組織犯罪いわゆるアナコンダ事件で、サンパウロ州連邦警察のベルナルディ刑事部長は組織内で、〃情報係り〃となっていた。第二の事件は密輸王と呼ばれる中国人ロウ容疑者の逮捕で、この事件には複数の連警が関連しているとされ、ブラジリアから本部直属刑事数十人がパトカーで乗りつけて家宅捜査を行った。第三はリベイロン・プレット市を舞台とした燃料マフィアのいわゆるリンセ一掃作戦で、この時、本部はバルタザル長官を同行したが、捜査にはタッチさせず、報道陣の対応係りとした。
バルタザル長官は、前回の大統領選でルーラ候補の護衛指揮官を務めたほどルーラ大統領とは個人的な親交がある。関係筋は、長官就任は同大統領からの成功報酬と見ている。こうした経緯を盾に同長官はしばしば直属上司のバストス法相やラセルダ連警本部長と対立していたという。
前出の三大事件の渦中の刑事部長らは同長官の右腕といわれていたが、いずれも以前に本部担当課内では「札付き」と呼ばれていたのを同長官が上司の反対を押し切ってサンパウロに連れてきたいわく付きの人物。このため、所内でトップ十人の汚職警官を出した同長官の責任を追及する動きも出始めている。