7月8日(木)
日本国際協力財団(神内良一理事長)から一億円の資金援助を得て、建築中の日伯友好病院神内総合医療検査センター(総工費三億円)がほぼ完成し、八月からの開所に向け急ピッチで準備が進められている。地下二階地上七階建て。院内の各種検査部門が一堂に集められたほか、個室五十二床が新たにつくられた。大久保拓司院長は「サンパウロ市北部、東部では、最高の設備になるでしょう」と誇る。
「病院は、ホテルみたいなもの」(大久保院長)。年間四十万件近い診察件数を数える友好病院だが、サービスの質を改善していかないと、患者が離れてしまうという危機感を持つ。
検査室は院内に散在していた上に、空間が手狭になっていた。また、入院患者の増大で受け入れが困難になり、ほかの病院に回すケースもちょくちょくあったという。
来院者にゆったりとした空間を提供しようというのが神内医療検査センター建設の大きな目的だ。がんの化学療法はこれまでの倍の十二人を同時に、行うことが可能になる。最新鋭の内視鏡(オリンパス社)も五台日本から取り寄せた。
検査項目は、超音波、レントゲン、鼻咽喉鏡、胃カメラなど約二十種。代表的な医療保険は、すべてきくという。個室には、冷蔵庫、冷房、テレビ、付添人用のソファーがそろう。
開所に伴なって、看護婦なども増員。職員の訓練にも力を注いでいきたい考えだ。神内理事長(援協名誉会長)を迎えて、竣工式が来月一日に開かれる。