7月9日(金)
【ヴェージャ誌六月三十日】冬のカンポス・ド・ジョルドン市。サンパウロ市からわずか百六十七キロ(リオ市から三百三キロ)で、冬の訪れと共に学校が休暇シーズンに入ると、寒さを体験するファンが訪れる町である。サンパウロ市からドゥトラ道を抜け、バーレ・デ・パライーバ地区のマンチケーラ山脈の眺めを満喫しながら同市に到着する。
不順な気候で、七月に入り暖かい空気がサンパウロ州上空を覆っているものの、気象庁の予報では、この先南極大陸から吹き下ろす寒波が押し寄せるとのこと。本格的な冬や雪を楽しむにはアルゼンチンやチリが一番だが、パウリスタっ子には気軽に防寒服で身を包み、白い息を吐けるカンポス市が人気の的となっている。シーズン中は市内のホテルが満室となり、民宿も予約できない程の盛況となる。
同市は標高千七百メートルで周囲は山に囲まれ、市内はヨーロッパ風の建物が並び、気温はマイナスとなることから、老若男女がいろりを囲みながら熱いワインを飲みながら談笑したり、恋を語る絶好の雰囲気をかもし出す。
同市を初めて訪れる人には、早朝の張りつめた空気の中の散歩が好評で、中でも市が環境保全地区としている市内各所の公園を散策する観光客が多い。
また、体力に自信がある人は、トレッキング、山歩き、大型タイヤの四輪車や馬での散歩に興じることが出来る。ビラ・カピバリ区に入ると、市の著名な商店、ショッピングでの買い物ができ、周囲のモダンなバールでコーヒーや軽食を楽しめる。十分に運動や散歩した後の食事は、ヨーロッパ風の一流レストランで鱒などをあしらった食事やカピバラなどの珍しい野生動物の肉が楽しめる。
きれいな空気を深く吸い込み、昔ながらの電車にゆられて市の史蹟めぐりが出来る。七月一杯は恒例のカンポス市国際冬期フェスタが催され、多彩なクラシック音楽が演奏される。このフェスタは三十五年の歴史があるが、今年は特別に市内中央公園で連日音楽会が開かれる。またベージャ誌主催のスペースも設けられ、映画、芝居、ライブ音楽、ヨガの講習会、美容ショップ、工芸展などが催される。