7月9日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六月二十九日】ブラジルの鶏肉輸出総額が二〇〇三年に初めてアメリカを抜いて世界一の座についた。この背景には、高品質製品を通じた信用の積み重ねに加え、東南アジアで猛威をふるった鳥インフルエンザが大きく影響している。特に輸入量が多い日本に対して採った、ニーズに合わせた敏速な対応が功を奏し、今年四ヵ月間で輸出量は七〇%の増加となった。
昨年の輸出総額は十八億ドルで、アメリカの十五億ドルを史上初めて抜いて世界のトップとなった。量はアメリカの二百三十万トンに比べ二百万トンと少なかったが、国際市場で高値が通ったことが示された。単価は例年より三〇%高となった。
今年に入り、一月・四月で十億ドルを記録し昨年同期比五二・五%の上昇となった。五月は月間新記録を達成した。額面で二億二千百四十万ドル(昨年同月比九三%増)量で二十万六千トン(同六〇%増)となった。
輸出が好調な背景には、他国の輸出鶏肉が一羽丸ごとに対して、ブラジルの鶏肉は骨抜きやもも肉に仕分けされていることがある。特に日本向けにはニーズや料理方法に合わせて肉が仕分けされている。これまでの供給国のタイ、中国(鳥インフルエンザで輸出中止)の動向にもよるが、いっぽうでアフリカ、中近東、ヨーロッパ東部の輸出が伸びていることから、輸出業界は、本年は量的に五%から一〇%の伸びは堅調だとの見方を示している。