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12416票=落選、高倉さん「嘘だろっ」=自民党比例区候補で最下位=「道開く」評価の声も

7月13日(火)

  国政の厚い壁の前に高倉さん涙――。第二十回参議院選挙の投開票が十一日行われ、自民党比例区から初出馬したミチオ高倉さん(六三)は同党比例区候補で最も少ない一万二千四百十六票に終わり、落選した。「在外選挙権の充実」や「日本の食糧問題」などを訴えた高倉さんだが、知名度の低さに加え、選挙活動の期間の短さなどがネックとなり、有権者の支持を集めきれなかった。また、「海外邦人の代表」を語ったにも関わらず、頼みの在外投票率も過去二番目に低い数字に低迷、苦戦を強いられる一因となった。選挙戦では手ごたえを感じていたという高倉さんは「嘘だろっ、というのが正直な感想です」と選挙結果を振り返った。

 六月の公示直後に行ったサンパウロやロサンジェルスなどの海外遊説の後、高倉さんは出身地の大分市やデカセギ労働者が多い愛知県など各地で選挙戦を展開してきた。最終日となる十日夜、小泉純一郎総理ら自民党有力議員が駆けつける中、高倉さんは他の自民党候補者らとともに東京・浅草で最後のお願い。日本の食糧問題における、南米の重要性などを訴えた。
 投開票当日の十一日夜、高倉さんは東京都内の事務所近くにあるホテルの一室で、TVを通じて開票状況を見守った。十二日未明、「自民敗北、民主躍進」の流れの中、自らの票も同党が擁立した三十三人の候補者中最下位の結果を目の当たりにした高倉さんは「本当に意外。こんなもの(投票数)かとガッカリした」と厳しい現実に失望した様子。選挙戦終盤では、遊説中に手ごたえを感じていただけに、一万二千四百十六票しか集まらなかったのは予想外だったようだ。
 また、サンパウロでの遊説などが大手マスコミ各社にも取り上げられていただけに、高倉さんは集票につながるとみていた。
 同日午前二時過ぎ、事務所に姿を見せた高倉さんは「せめて昨年から選挙活動が出来ていれば……。余りにも時間がなさ過ぎた」などと報道各社に敗戦の弁を語り、悔しさを滲ませた。また、国会内に青木幹雄参院幹事長を訪れ、これまでの礼を述べた高倉さんに対し青木幹事長は「新しい道を切り開いてくれて、ありがとうございます」などと語ったという。
 各方面へのあいさつ回りなどを終え、七月中には地元パラグアイに帰国する高倉さん。八月には再び、サンパウロ入りし、関係者を訪問する予定だ。「サンパウロであれほど盛り上げてもらわなければ、日本での注目もなかった。サンパウロの皆様には心から感謝したい」。
 初の国政挑戦は敗北に終わったが、支持者からは次の機会にも出馬するべき、との声が高まっていると高倉さんは言う。「悔しさは残るが、在外選挙権の重要性などを日本にアピールできた。何としても、この動きを続けたい」と再出馬の意欲を見せている。