7月14日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】国内保健プラン(プラノ・サウーデ)の値上げ調整幅は新規加入者および旧契約者を問わず一律一一・七五%を上限とする―。サンパウロ第二十二民事法廷が、国内健康保険会社最大手のブラデスコ・サウーデに対する訴訟で出した判決だ。
問題になったのは九九年以前に加入した十四万人に対し八一・六五%の値上げを行おうとしたことで、これを不当だとして加入者が訴訟を起こしていた。同社は判決文を入手した上で対応を検討するとのコメントを発表したが、司法および保健当局と保険会社の間で法の解釈の違いが浮き彫りにされた。
保健プランの運用ルールは九九年一月一日に法令で定められたが、それ以前は各社の契約事項に沿って運用されていた。現在加入者は三八〇〇万人で、このうち法が発令された九九年以前は二二〇〇万人、それ以降は一六〇〇万人となっている。法令では発令後の契約について定められているが、それ以前の契約に対しては特に値上げの理由、計算根拠には触れていない。現に昨年、連邦最高裁は契約書に準じた正当なものであれば値上げは認めるとの判断を示している。
今回のサンパウロ地裁の判決は、前出のブラデスコ・プランに加え、スールアメリカ、ウニメジ社の値上げも阻止することになる。値上げ幅八一%の根拠があいまいで、法で定められた消費者擁護令に違反するものだと同地裁は判断した。サンパウロ市内ではプロコン(消費者保護センター)に連日百五十人が列をなして苦情を寄せている。そのうちの一人は五月に二八八レアルだったのが七月に八一八レアルに値上げされたと話す。サントアンドレ市では十日間で一八〇〇人がプロコンに押しかけた。
これを受けてコスタ保健相は、法外かつ一方的、しかも根拠の無い値上げとして一〇〇万レアルの罰金を保険会社に科すことを検討する一方、省内の専門家に各会社の立ち入り検査を指示する方針を明らかにした。
いっぽう保険会社側は連邦最高裁の解釈に乗っとり、九九年から〇三年までの経常赤字分を値上げに反映したまでと釈明している。関係筋は法令のあいまいさが今回の混乱を招いたとみている。