あれっ、この人が、と思う人が相撲ファンで、〃通〃であったりする。それを本紙「ぷらっさ」欄への投書で知ることもある▼以前、かなりひんぱんに、特に女性の、NHKテレビの相撲番組観戦記が載ったものだが、最近は少なくなった。高齢の女性の文だった。いまも、元気で毎場所見ているのだろうか、と気にかかる▼横綱朝青龍がまだ前頭で相撲をとっていたころ、「初々しくてかわいい」といい、熱心に応援していた高齢女性もいる。それが一年余り前から無敵に近い強者になった。態度も表情も、もうかわいらしくない、と思っているようだ▼名古屋場所の去る八日目の土俵で平幕の琴ノ若が、投げで横綱の背中を土俵につけた。予想外の出来事だった。物言いがついて取り直しになり、琴ノ若は敗れた。観戦後の感想は「琴は、相手が死に体(しにたい)とみて、かばい手をした。それを勝負審判団が認めないで、物言いをつけ、あげく、取り直しとは…」▼かわいさがなくなった横綱が、結果的に勝ったから、ムキになったのではなく、相撲をよく見ているから、こその感想である。地方の町にも、熱心なファンが多い。以前は、大相撲の周辺を客観的に観察して投稿してきていた。NHKも放送のし甲斐があるというものだ▼女性の場合、力士がセックスアピールする、といったりして男性と視点が違うのはほほえましい。新聞への投書は、身辺雑記がどちらかといえば多いのだが、相撲観戦記などをもっとすすめたい。(神)
04/07/14