7月15日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】ヨーロッパ連合(EU)は十四日、砂糖生産者への補助金を削減すると発表する見通しとなった。これにより、ブラジルの砂糖輸出は大幅に増加するとみられている。
通信社フランスプレスによると、補助金削減によってEUの砂糖輸出量は、現在の年二百四十万トンから、〇五年にはわずか四十万トンにまで落ち込むという。砂糖生産者への最低保証価格は、一トン当たり六百三十二ユーロから四百ユーロに下がる見込み。また、現在十五億ユーロに上っている輸出補助金も削減される予定。
世界貿易機関(WTO)では現在、ブラジル、オーストラリア、タイの主要砂糖生産国が要請により、ヨーロッパの砂糖生産者に対する補助金の正当性について調査が進められている。全国農業連合の国際貿易担当者や外務省の農業問題専門家は、WTOの判定では勝利がほぼ見込めないことから、EUは今回の決定を判定に先立って行ったとみている。
ブラジル側にとっては、補助金削減の結果砂糖生産量が減少するため、砂糖価格が上昇すること、EUの生産者が現在押さえている市場へ参入できる条件が整うこと、といったメリットが期待できる。
十九日以降、メルコスルとEUは新しい条件のもと、砂糖をめぐってさらに交渉を続ける。輸出補助金の五〇%を占める砂糖についてEUが譲歩したことから、他の農産物についても補助金の削減が期待されている。