7月16日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】サンパウロ市市民警備員とカメロー(市から営業認可を受けていない露天商)の衝突は恒例化しているが、サンパウロ市中央区ヴィンテ・シンコ・デ・マルソ通りで十四日午前七時半、取り締まり中の市民警備員とカメローが一時間にわたって武力衝突し、警備員三人が軽傷を負った。
カメロー側に負傷者はなかったが、公務執行妨害や暴行罪の現行犯で十二人が逮捕された。彼らは調書を取られ午後には釈放された。市民警備員とカメローはいたちごっこを繰り返しており、特に市役所が市内中心部のリベロ・バダーロ街に移転してからは、カメローの営業区域が狭くなり自然と他地域に侵入し始めたため、市民警備員も取り締まりを強化していた。
今回の衝突も起こるべくして起きたもので、市民警備員によるとカメローは鉄棒、レンガなどを用意していて到着と同時に襲撃してきたという。いっぽうカメロー側は、市民警備員が空に向けて発砲して〃進軍〃してきたのが混乱の始まりだと話し、主張に食い違いをみせている。
カメローの関係筋によると、現在市内に八万五千人のカメローがいるが、営業認可があるのは六千九百人のみとのこと。市役所が移転する前は、市役所周辺で千五百人が許可されていたが移転後は四百人に削減された。市はさらに二百七十人に減らす意向だという。これにより〃あぶれた〃カメローは他の縄張りに侵入し、混乱を起こす原因となる。
カメローの一人は高級万年筆を売っているが、市の監督官や市民警備員の姿を見つけると荷物をまとめて一目散に逃げるのが日課となっている。このため、これまでは日収二百レアルだったのが五十レアルに下がったという。それでも「パンと明日の糧のため」逃げ回るのは辞めないと意気込んでいる。
これに対しマルタ市長は、営業認可は調査と検討に時間を要し容易に出せないとし、非合法営業は厳しく取り締まるとの方針は崩していない。さらに七月三十日に新たに八〇〇人の市民警備員を市内中心部に投入し警備を強化するとの態度を明らかにした。
現在、市が認可している露天商は六千九百四十五人で、うちセー地区千二百四十四人、モッカ地区千百二十七人、ラッパ地区六百六十七人、ピニェイロス地区四百五十四人、サント・アマーロ地区五十八人となっている。