7月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】十八日からサンパウロ州内で降り続いた豪雨により十九日、地滑りが原因で崩れ落ちた家屋の下敷きとなって子供四人が死亡した。このほか十数人が負傷したが軽症だった。事故現場はさらに地滑りの危険が伴うため住民らは避難した。気象庁によると今回の降雨は例年平均のおよそ倍にあたる集中豪雨とのこと。またパラナ州の海岸山脈鉄道で三十五両の貨物車両が脱線し線路脇に転落する事故が発生した。集中豪雨により線路地盤がゆるんだのが原因とみられているが目下事故原因を調査中。この事故による負傷者は無かった。
サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市郊外のパルケ・サンベルナルド地区で十九日午前三時頃、地滑りが発生、二家屋が全壊し寝ていた三人の子供が下敷きとなって死亡した。子供らは五歳、四歳、二歳で家人らによると崩壊は一瞬の出来事で自分らが逃げ出すので精一杯だったという。これら家屋は不法住居で、市当局は住居のある地域を地滑り危険地域に指定していた。地滑りはさらに発生する恐れがあるため付近の八家族は避難した。
いっぽうサンパウロ市内グアラピンガ湖畔でも家屋が崩壊し、五歳の少女が逃げ遅れて死亡した。災害は同日午前十時半に発生したが少女の遺体は午後五時半に発見された。少女は身体障害児で自力では歩けなかった。母親は他の三人の幼児を助けたがこの少女は間に合わなかったと述懐している。ここでも十世帯が避難した。
気象庁によると、南部から入り込んだ寒気の影響で十八日から間断なく降り出した雨は、十九日午後三時時点でサンパウロ州の七月の平均雨量三十九ミリを超える四十九ミリを記録した。これで今月の降雨量は七九・二ミリとなった。
いっぽうパラナ州沿岸のモレット市で十九日午前〇時ごろ、海岸山脈鉄道のパラナグア港行きの貨物列車が脱線し、四十五両編成のうちの三十五両が線路脇の山中に転落した。これらの車両には輸出用のトウモロコシや砂糖が満載されていた。事故現場は同鉄道の景観スポットとして観光名所の一つとなっていた。当局は降雨による線路地盤のゆるみが事故原因とみて調査中。