ブラジル経済は収穫期へ=中銀総裁が太鼓判=国際金融不安に動ぜず=経済各指標に遜色なし
7月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】メイレレス中銀総裁は、国際金融筋のブラジル観が最近変わったという。ブラジル経済に対する疑心暗鬼は、経済スタッフの結束に払拭されたと述べた。ルーラ大統領が訪米中に見せた闘魂は、ブラジル経済の分水嶺になると見解を述べた。
過去十年とこれからの十年間における経済成長の相違を強調する同総裁の見解の概要は、次のとおり。 【〇四、〇五、〇六年のインフレ率予測について】〇四年を峠に〇五年は四・五%、〇六年から長期にわたって四%で固定する。以後はインフレ目標率を、毎年調整しない。国際金融の流通量低減による外的要因から受ける衝撃は、経済基盤の強化で最小限に食い止められる。インフレ率が高いほど、経済安定と成長維持のための金融コストは高いものとなる。
【いかに経済成長を促進するか】外資を呼び込むために会社更生法や投資リスク法など、数々の法整備が必要だ。金融システムの規制や官民プロジェクト法、インフラ整備への投資特典、公共事業の入札法などを早急に整備すること。
【政府は金融制度を変更するか】先ず貯蓄による長期投資を奨励する制度が必要だ。これまでの確定利付き投資ばかりでなく、リスク投資にも資金を投下するシステムを構築する。
【生産経済への投資は、なぜ利益率が低いか】過去十数年間の経済成長は不安定で、どの政権も実効性のあるマクロ政策を模索してきた。ようやく正解を見出し、企業や国民が投資と経費のプランを設定ができるようになった。これからは予算を投資に回す傾向が顕著になるから、実体経済の環境も整う。
【〇三年のGDPに対する貯蓄率二二%は、〇四年に一九%へ減少。なぜか】ブラジル経済は〇三年六月で底打ちと発表したが、投資家は〇四年上半期に入ってもまだ、信じなかった。〇四年第1、2・四半期と成長率が連続で上昇したので、やっと納得した。これからも成長が持続するので、先物市場の投資も活況を呈するとみている。
【過去十年間銀行だけが儲けたが、金融投資家をいかに生産経済へ引き付けるか】過去十年とこれからの十年間は大きく異なる。その兆候は、過去九十日間でダイナミックかつ明確に表れた。米国が打ち出した通貨政策に起因する不安定な国際経済の中、ブラジルの産業界は着実に前進して業績を上げた。〇四年の生産経済は、〇三年よりも大きく営業益を上げ、経済成長を明示している。
【ルーラ大統領の訪米は、経済成長の分水嶺となるか】ブラジルの経済安定と物価安定、堅実な基礎条件の上に築かれた経済成長を投資家に訴え、理解してもらったことは大きな収穫だ。政府の政治基盤と経済環境は、外国のランク付け会社が発表するような状態ではないことも説明して理解を得た。
【流失した外資を取り返すのに説得で十分か】説得で十分といったら、ウソになる。多少の不安はある。米公定歩合の引き上げが発表され、国内の反応を懸念したが杞憂に終わった。ブラジルの金融市場が動揺しなかったことで、信用は回復した。外資は必ず返ってくると確信している。
【インフレ退治に成功したが、経済成長に失敗したという見方について】政府が取り入れたインフレ目標を基準とする経済政策は、物価を一定幅に固定させ信用を安定させた。低率インフレの持続が、結果として右上がりの経済成長をもたらす。この体験から物価安定を基本とするマクロ政策が、経済発展の近道であるとの結論に至った。
【難関は突破したが、戦勝祝いができるか】ブラジルの財政状況は、国の内外で公表しても健全なもの。目標インフレ率内での経済成長、均衡収支、貿易黒字、収入内支出、債務減少の体質つくりなど、どこを突いても遜色がない。勝者は戦いに臨む前に、すでに勝利しているもの。