7月23日(金)
サンパウロ州ジャカレイ市近郊の小農家たちが無農薬の野菜作りに自信を深めつつある。これは、コチア農業学校の営農指導の努力が定着した結果として、地域社会で評判となっている。
去る七月九日~十八日の十日間、ジャカレイ市にある州立農業学校で開催された第二十二回農工業祭り(FAPIJA)にも無農薬野菜が初めて出品され、連日午前中に売り切れるほどの成果をあげ、栽培農民たちは一層自信を深めた。
「小農家の会」に苗木を提供して技術指導を行っている中心人物が、コチア農業学校の菅原エドワルド教官(二世、サンパウロ大学農学部卒)だ。菅原教官は同農校で毎週土曜日に実施されている成人対象の農業研修の責任者としても、指導力に定評(本紙・四月二十七日報道)を得ている。
小農家が栽培している野菜の数は、約二十種類に及んでいる。五年前、オイスカ・ブラジル総局が米州開発銀行(本部・ワシントン)の無償資金協力を受けてコチア農業学校で南米諸国の農業後継者研修を始めたことがきっかけとなり、学校の教官らが技術指導の経験を蓄積したことと、近郊農家の営農指導に対する関心が高まり、営農普及活動が派生した。小農家に対する無農薬野菜栽培の指導もその延長線上にある。
最近は州立農業学校も「小農家の会」支援に参加することを決定したため、毎週・月・水の午前六時から正午まで、同校の校門脇で小農家たちが作った新鮮な無農薬野菜が直販されるようになり、これも定着しようとしている。
「小農家の会」も菅原教官らの指導で誕生した。現在の会員は十二名だが、徐々に増えることが予測されている。由緒あるコチア農業学校の役割が、対南米諸国に限らず、地域社会にも浸透しつつあることは喜ばしい前進だ。