7月24日(土)
日本語教師が教える技術の基礎を身に付けるため参加する「第十九回汎米日本語教師合同研修会」が、二十一日からブラジル日本語センター(谷広海理事長)で始まった。二十九日までの九日間、三十人の参加者は教授法の習得に励む。主催は同センターで後援はJICA。
国内からは十七人、カナダ、メキシコ、アルゼンチンなどの外国からも十三人が参加し、同日午前九時から開会式が行われた。挨拶にたったJICAの石橋隆介サンパウロ支所次長は「今研修を通じて、日本語の美しさをより深く研究し、日本人の心、精神文化を理解してほしい」と語った。
この研修会は前回までは毎年二月に開催されていたが、今回から七月に前倒しとなった。また、以前は日本からの講師が中心だったが、今回は愛知大学講師の梅田康子講師のみで、他五人は現地講師となった。三年前からアルゼンチンとブラジルの持ち回りだったが、今回から同センターでやることになっている。
男性の参加者は七人。その一人、ボリビアのサンタクルス日本語普及学校成人クラス教師の宮城アレックスさん(20、二世)は、「ちょっとした興味で教師を始めたが、だんだん楽しくなってきたところ。もっと楽しい授業ができるよう勉強したい」と抱負を語った。
カナダから参加した村井透さん(26、新潟出身)は両親の仕事の都合で、三歳の時米国へ、五歳でカナダへ移住した。トロントにある日加学園の成人クラスを担当する。「十人のクラスですが、うち七人は日本人妻を持つカナダ人の夫です。妻の言葉を勉強し、家庭内でも子どもに日本語を保持してほしいと勉強にきています」と日系人の少ない同地の事情を説明する。
メキシコのヒメナ・礼・アレオラ・府川さん(22、二世)はシティのACIAという語学学校で日本語を教えている。母親も日本語教師をしていたが、当初は「同じ道を歩むことを反対された」という。「もし教師になるのなら、ちゃんと勉強してほしい。そのためにこの研修会に参加するよう勧められました」と参加動機を語った。
研修会では二つのクラスに分かれ、「教授技術の基本」「日本語学入門」「年少者のための教室活動」「教科書分析」など講義を受け、最後に模擬授業をして、二十九日に総括・閉会式をして解散となる。