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リベルダーデ=同じアパート住人の犯行か=柏井さん殺害事件=何らかのトラブル?

7月27日(火)

  【既報関連】二十二日夜、リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街の自宅アパートで大阪府出身の柏井芳子さん(59)が首を絞めて殺害されているのが見つかった事件で、アクリマソン第五警察から事件を引き継いだ市警殺人・人身保護課(DHPP)は、柏井さんが殺されたアパートのセキュリティーが厳重なことから同じアパート内の住人による犯行の可能性が高い、とみていることがニッケイ新聞の調べで分かった。
 一九五五年に両親や兄弟六人らとともに来伯した柏井さんは、独身で一人暮らし。市警によると二十二日、午後六時二十分ごろ、アパートの管理人であるレイナウド・マルチンス・リマさん(46)が、柏井さんのアパートの扉が半開きになっているのを発見。不審に思い室内を覗いたところ、床に倒れている柏井さんを見つけたという。頭に袋をかぶせられ、首に紐が巻きつけられており、死因は窒息死とみられるが、鑑識担当者によると床に複数の血痕らしきものも見つかっている。
 アパートの出入り口は厳重に管理されており、不審者の侵入が容易でないことや、室内が荒らされた形跡や、柏井さんが争った後がないことから住人による犯行の可能性が高いとみて捜査している。
 司法解剖後、オザスコ市内に住む姉夫妻に遺体が引き渡され、二十三日にサンパウロ市内の墓地に埋葬された。姉によると、柏井さんは四人兄弟の末っ子で、援協などに勤務した後、最近は二回にわたり、日本にデカセギしていたという。中国系の新興宗教に熱心だったらしい。ここ数年、兄弟ら親族とは疎遠が続いていたが、姉とは三ヶ月ほど前に電話で話していた。姉によると柏井さんが住んでいたアパートには中国系、韓国系の住民も多く、日ごろから住民間の騒音問題も起きていたらしい。柏井さんも、苦情を申し立てるなどのトラブルを経験していたという。警察から知らせを受けた姉は「びっくりした。信じられません。アパートの住民とは揉め事が多いとは聞いていたが、まさか殺されるなんて」と話した。
 また、義理の兄によると、アパートの居間には「VIVA VIDA(人生万歳)」と記された柏井さんの手による詩集も残されていた。デカセギで稼いだ得た金でソロカバ市に家を購入し、今週中にも引っ越す予定だったとみられる。義理兄は「女手一つでここまで頑張ってきた。せっかくゆっくり余生を暮らせると楽しみにしていただろうに」と声を落とした。