エコノミーア

7月28日(水)

 年間取引高九十億レアルに達する世界最大のオレンジ・ジュース生産国ブラジルで、生産者と加工業者が今後の不安な見通しを懸念している。〇四年の収穫では百三十五万トンを輸出して記録を更新したが、グリーニングと呼ばれる病原菌が世界的に蔓延したこと。さらに米国が大豊作で、ブラジルへの注文激減の情報が入り、同業界の将来に暗雲が立ち込み始めた。     ◎
 イラン政府が、国道や鉄道、橋梁、ダム、建造物などの復興事業にブラジル建設業者の参加を呼びかけている。領土紛争から始まり、 八年間続いたイラン・イラク戦争の結果、イランの損害額は一兆ドルに上るとされる。ようやく国情が安定し、イランは本格的な経済交流を求めている。大豆を始め、鶏肉、食用油、肉類、自動車と部品なども輸入を希望している。
     ◎  ブラジルにも進出しているスペイン系のサンタンデル銀行は、英国で六番目の資産を有するABBEY・BANK買収のため、代表団が渡英した。買収が成功した場合、EU圏で最大、全欧で四番目、世界で八番目のメガバンクが誕生する。ABBEYの買収で同行の南米での営業活動はやや減速するが、ブラジルでの営業は景気が十年続くとみて拍車をかける予定。     ◎
 フルラン産業開発相とレッサ開銀(BNDES)総裁が、激突した。両者の確執は〇三年十一月二十七日、開銀によるバーレ株八・五%の購入から始まった。レッサ総裁は産業開発相の配下にあるが、同相の頭越しに同取引を行い、さらに駆け抜けは二度目とされる。レッサ総裁は、三井物産によるバーレ乗っ取りへの防御だと弁明した。異議があれば、総裁を辞任するとたんかを切った。