今度の「日本祭り」の「郷土食の部」でのちょっとした驚きは、カレーライスの〃台頭〃だった。焼きそばが郷土食か、という議論、批判は以前からあった。またしても難問?が現れたものだ。尤も、議論なんかなくて、売れ行きのいいものがどんどん店頭に並ぶのが、日本祭り・郷土食である▼カレーライスは、日本人にとって、やや揶揄をこめて「国民食」とされる。あれはインドの食べものだろうというのは、明らかに間違いだそうだ。カレーライスは、日本人が長い年月をかけて、日本人の口に合うよう工夫してきた。だから、ある意味では焼きそばより、はるかに日本食であるわけだ。この際、じゃ、出自は何県だ、などと問い詰められると困る▼さて、焼きそば並みにブラジル人にたくさん食べてもらえるようになるか、の問題。ストロガノフは、好まれるが、同じような食べ方をするカレーライスには、カベがある、というのは市井の食べもの屋の実績からいえる▼それにしても、宣伝が効いて、たいへんな人出だった。郷土食のブースが並んでいるところは、歩くだけで疲れるほどだった。こんな盛況なのに、「郷土食」の何であるかの云々はヤボというものだが、最後に、やはりふれておきたい▼食べものは、古里・郷土に拘るのが筋というものだろう。食材を探し求めたり、代替を考えたり、そしてボランティアを得て、料理するのはたいへんだ。別の面からいえば、売れ行きに関わる、という事情は痛いほどわかるのだが。(神)
04/07/28