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保険料値上げ幅で仮処分=健康プラン=全国一律11・75%=保健省の主張を全面的に認める

7月30日(金)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】ブラジリア連邦裁判所は二十八日、健康プラン(プラノス・デ・サウーデ)の保険料の値上げ幅の上限を一律一一・七五%までとする仮処分を云い渡した。さらにこれに違反した場合、一日当たり百万レアルの罰金を科すことも付け加えた。
 訴えは、保険会社三社が健康プランの約四五%から八五%までの値上げを通告したのを保健省と全国弁護士連盟が不当とみて起こしていたもので、判決は消費者擁護を主張した原告側の云い分を全面的に認めた内容となった。会社側は高裁に控訴できるが、「判決文を検討した上で態度を決めたい」との立場を表明した。
 これにより年初から揉めていた値上げ問題に一応の司法判断が下された形となったが、関係筋はあくまで仮処分の段階であり、控訴された場合の審議は予断を許さないとみている。いっぽうでサンパウロ市内では健康プランに指定されている病院の医師らが診療を拒否する決定を下すなど、保険業界は揺れている。
 今回の訴えはイタウー・セグーロ、スル・アメリカ、ブラデスコの保険会社三社が四四・六六%から八五・一%の値上げを打ち出したことを不当としたもので、判決は訴えを全面的に支持した上で他社にもこれを適用し、これまでに各州で見解がまちまちだったのを全国的に統一した。争点となったのは一九九九年以前の加盟者の値上げ調整だった。保健省が一九九八年に下した判定では、この時点以降の加盟者への値上げは保健省の許可が必要と明記されている。それ以前には規制がないことから各社は自社の契約に基づく値上げ幅を主張していた。同省と保険会社各社は年初から数度にわたり調整の話し合いの場をもったが物別れに終わっていた。
 これで消費者の云い分が認められたことになるが、プロコンなどの関係筋は、政府の対応が遅かったと不満を表明しながら、今回はあくまでも仮判決であり、控訴あるいは上告で判決がくつがえることもあり得ると警戒心を強めている。現にこれまで電話料金の値上げや電気料金の割り引きで一度は消費者に有利な判決が出ながら控訴審で逆転されたケースがあるという。
 いっぽうサンパウロ市内の健康プラン指定医は三十日からブラデスコ、マリチマ、ポルトセグーロ、ウニバンコ、イタウー、スル・アメリカ、AGF、ノルテダメ各社のプラン加入者の診療を有料とすることに決定した。これにより加入者は診療費を支払った後、各社に請求することになる。