7月30日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】経済回復機運で活気づいている工業界だが、本年に入り深刻な問題に直面している。国内販売の増加はもちろんだが、経済成長には輸出の伸びが大きく影響している。しかしここに来て輸出用船舶の不足に加え、船荷スペースの慢性的な不足状態が続いている。
自社倉庫に在庫できる企業はましな方で、製品を輸出港に運んでも積め込むコンテナが不足し、たとえ積め込めても船荷スペース待ちがある。港での待ち時間は三十日から四十日に及ぶという。輸出業者は「政府は輸出優遇・振興策の成果で輸出が増加したと手放しで喜んでいるが、深刻な問題を解決するための対応策を講じていない」と政府を批判、このままでは対外信用を失い契約の減少につながりかねないと懸念している。特に生産の五〇%以上を輸出に回している企業は、輸出をさらに一〇%から二〇%増せるが「足(船)」を考えると注文に応じる訳にいかないと不満を漏らしている。
関係筋によると、船の便数とコンテナ数(外国の所有)はブラジルの貿易形態に影響されるという。今年六カ月間の輸入は二百八十二億ドル、輸出は四百三十三億ドルで出超となっており、いきおい輸入品を運んでくる船が少なくなるのが原因。船会社によると、中南米諸国の寄港地でも積み荷の予約が入るので、ブラジルの船荷スペースは少なくなる(ブラジルに寄港するのは外国船籍)。いっぽう最近の中国の貿易拡大で、世界の東西航路の就航が増加しているとのこと。現在世界では三千七百八十一隻が就航、二〇〇六年には四千三百六十六隻に増加する見通しだが、それまでは船荷スペース不足の改善は望めそうにないのが現状だ。