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黒米の試験栽培に成功=〃高嶺の花〃が庶民の食卓に近づく

7月30日(金)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ州カンピーナス農業試験場は、黒米の試験栽培に成功したことから種子の量産に本腰を入れることになった。これを州内で広く植付け、新規需要を掘り起こし広めていきたい方針だ。
 黒米はその名の通り色が真黒な米で、玄米と同じように食する。原産地は中国で、古来中国の王室や貴族が常食していた。現在市販されている精米や玄米よりはるかに栄養価が高く、歯ごたえも良く、味もくるみナッツの香りがして食べ易いとのこと。ブラジルでも愛好者が多く、輸入品を高額で買っている。市販の精米がキロ当たり二レアルなのに対し、黒米輸入品は二十五レアルと庶民には高嶺の花となっている。
 州農務局では同試験場での成果を農家に紹介していく事に決定した。黒米はサンパウロ州内でのこれまでの農法と変わりなく、作付けから収穫まで八十五日位。この品種は病害に強く、とくに米作の代表的病害のブルゾネ病に抵抗力があることが実証されている。
 米の中でこれまで栄養価が高いとされている玄米と比較すると、水分八・八九%(玄米九・七七%)、脂肪一・六七%(二・六三%)、プロテイン九・七一%(七・〇四)、繊維質二・〇二%(一・四二%)、炭水化物八〇・一二%(七七・六八%)、カロリー価三五九・五九カロリー(三六二・五五カロリー)とはるかに優れている。一般家庭の食卓に「炊きたての黒いご飯」が登場する日も近い。