牧歌的ともいえる場所で、人間の欲が見える、パラナでの話。
川やレプレーザ(人造湖)の付近で作付けしているコメやミーリョをカピバラが狙ってくる。農場主がこれを射殺すると一頭につき、五百レアルの罰金が環境保護院から課せられる。そこで、電線を引き、それに電流を流し、カピバラの侵入を防ぐ。
さて、これで事が済むわけではない。もう一種の動物が侵入して来て困るという。「釣り人」というなかなか賢(さか)しい動物だ。よほど注意しないと、電線をくぐるとき感電する。それでもなんとかかい潜るというから頭がいい。
農場主は言う。「作物をいためないから…、まぁしようがないか」。賢しい動物は反論するに違いない。「川や湖は公共のものだろう…」。(神)
04/07/31