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バクテリアが特種繊維に=医療、工業用に大きな需要

8月4日(水)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】ビオネックス・バイオテクノロジー社のフェルナンド・ファラー氏は、培養したバクテリアを使って特殊繊維の開発に成功した。用途は火傷の治療や防弾チョッキ、ヨーグルトの凝固剤、事務用紙、新聞紙など医療用や工業用に大きな需要が見込まれている。
 ただ原料は、植物ではなくバクテリアであることが注目される。製造原価は植物性よりも安価で、入手も容易になる。これまで広範囲に行われたユーカリプトの植林に代わる新素材として期待されている。
 同氏は研究所勤務の傍ら、バイオテクノロジーの個人研究家として趣味で研究に取り組んでいた。バクテリアがセルローズを組成することは十五年前から知識として知っていた。
 好奇心から専門的に学び始め、ついに腐った果実からバクテリア、アセトバクテル・シリナムを発見した。植物性のセルローズに問題のある工業や医療分野での大きな需要が期待される。
 火傷の治療に試用したところ、繊維はそのまま皮膚に変化するので交換の必要がない。火傷部分の自然の皮膚が下から盛り上がると、特殊繊維は独りでにはげ落ちる。同材を用いれば、火傷治療に脱脂綿とばん創膏、ガーゼは不要となる。腫れ物にも換気性があり、蒸れない。
 バイパス血管が梗塞したときに用いる金属質繊維ステントの代用にも、動物で実験して成功を収めた。アララクアラのサンパウロ州立大学化学学科のメサデク教授は、見たこともない新素材の柔軟性と応用範囲の広さで驚いている。素材の加工によっては長期保管をする重要書類の用紙、PCモニターの画面にも応用が可能と夢が尽きない。
 同素材の溶解性を増すことで、歯磨きのような衛生用品や食品にも利用できる。ビオネックス社は、パラナ州にリアクターによる量産工場を建設した。衛生監督庁(ANVISA)の許可が出次第、医療用品の市販を開始する。

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