8月4日(水)
ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は、サンパウロ市の地下鉄四号線工事及びサンパウロ州サンチスタ海岸部上下水道整備融資について、国際協力銀行(東京、JBIC)との調印式出席のために五日訪日するにあたり、三日午後一時からサンパウロ市セントロの州保安局で記者会見を行った。経団連、ブラジル・日本経済懇談委員会との会合や小泉純一郎首相と会談する予定。「サンパウロ州と日本の貿易を促進したい」と訪日に期待を込めた。
当初、四月に訪日する予定だったアウキミン知事。連邦議会での外国からの借財比率緩和承認を受け、ようやく実現となった。
「今まで日程の都合がつかなかったが、ようやくスケジュールの都合がつき、今回の訪日が実現した。この二つの大型プロジェクト調印式参加の他に、予定されている会合では、今後のサンパウロ州と日本の貿易拡大のためにも、サンパウロ州を大いにピーアールして来たいし、今後のためにもパイプ役を買って出たい」と抱負を語った。
訪日にはジョアン・カルロス・メイレーレスサンパウロ州科学技術・経済開発局長、ジュランジール・リベイロ・フェルナンデス首都圏交通局長やサンパウロ州エネルギー・水資源・衛生局長官が同行する。
JBICより二億九百万ドルの融資を受けて建設される同四号線が完成すると一日に九十万人が利用する。そのうえ同線はルース駅とピニェイロス駅でパウリスタ都電公社(CPTM)の電車や地下鉄南北線、東西線やパウリスタ線とつながれ、サンパウロ市内の移動に威力を発揮する。
これにより郊外からの車での通勤やバス通勤から地下鉄通勤に切り替える利用客が予想され、市内の道路事情の緩和や排気ガス公害の減少が期待できる。
同知事は「この四号線工事の入札はすでに終えており、一部で工事も開始した。これは調印後に入札を始めたのでは、二年も三年も余分に時間がかかる。交通地獄に苦しんでいるサンパウロ市民のために、調印前に工事を始めた」と述べ、「この工事による直接及び間接雇用が三万人生まれ、失業対策でも一役買っている」と強調した。
もう一つの調印はサンチスタ海岸部の上下水道整備であり、ベルチオガ、イタニャエン、モンガグア、プライア・グランデやサントスなど九都市が対象でサンパウロ市市民が海水浴によく利用する海岸都市である。
これには七カ所の下水処理場や十二万五千家屋への下水網の整備などを行う。飲料水や海水浴場の水質向上により観光客の誘致拡大が期待できる。このプロジェクト完成後には、二百五十万人の地元住民や観光客が恩恵を受ける。また一万七千六百人の直接雇用と三万五千四百人の間接雇用が生まれる。