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福井県=最高裁で無期懲役確定=デカセギ2人殺害犯に

8月5日(木)

  デカセギ二人の人生奪った日本人の無期懲役確定――。福井県福井市で一九九七年に日系ブラジル人を刺殺し、殺人と死体遺棄の罪に問われた元人材派遣会社経営、石川義純被告(32)に対し、最高裁は七月二十九日付で、被告側の上告を棄却する決定を出した。一、二審の無期懲役判決が確定。小法廷は「弁護人の主張は事実認定の誤りなどで、上告理由に当たらない」と述べた。
 出稼ぎ中の日系人が犯罪を起こすことは今では珍しくないが、殺人など凶悪事件の被害者となるケースは非常に珍しく、事件発生当時日本だけでなく、ブラジルのマスコミも大きく注目したこの事件。
 九七年四月二十一日、会社設立を巡るトラブルから、同市桃園の工員大迫・カルロス・アルベルトさん(当時30歳)宅で、大迫さんと、同居の無職藤春・フジィファル・マサヨさん(同)を刃物で無残に殺害。遺体は現場から遠くはなれた人気の少ない山林に捨てられていた。
 石川被告は一貫して起訴事実を否認。無罪を主張してきたが、二人の日系人を殺害した罪を無期懲役として償うことになった。