生産能力、限界に近づく=今年に入り需要急増=不可欠な設備投資優遇策
8月6日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】経済回復の傾向を受けて工業界は活況を示しており、失業の減少や労働時間の延長などによる所得増が明るい話題の一役を担っている。ここに来て、かつて体験したことがない問題に工業界は直面し、笑顔の裏に陰りが生じ始めている。生産能力の限界だ。
ここ数年来、需要のかげりにより生産能力に余力が生じていたが、本年に入ってから需要の急増に伴って設備能力ギリギリまでフル稼動している工場もあり、短期設備投資をせまられている。中銀は供給不足を原因とするインフレ上昇を危惧するとともに、先週発表した基本金利見直し論の中では、早い時期の金利引き上げもあり得ることを示唆した。
全国工業連盟(CNI)の統計によると、今年上半期の販売高は昨年同期比で一六・七九%の上昇をみた。なかでも六月は前年同月比二七・七二%の驚異的伸びとなった。このため工業設備の平均稼動率は八三・三%を示し、同連盟が統計を始めた一九九二年一月以来最高の水準を記録した。これはあくまでも平均で、製鉄部門のように九〇%フル稼動もあれば、八〇%以下もあるという。
設備稼動率は八七%が上限といわれており、現段階でそれは限界に近づいている。このため工業界は早急な設備投資に迫られている。モンテイロ・ネット同連盟会長はこれに対し、各企業は利益の中から設備投資用資金を計上して体制を整えているとしながらも、そのためには確固たる経済基盤の確立と、投資に対する減税などのインセンティブが不可欠と力説している。さらに工業界の足かせとなっているIPI(工業製品税)の税率引き下げが急務だとの見解を示した。
さらに同連盟筋は、品不足によるインフレ上昇とともに、金利とくにSELIC(基本金利)の上昇が懸念されていることに対して、品不足は輸入品でカバーできるが、金利は現状でも高すぎるのでさらなる上昇は必要悪だとの立場を強調している。
同連盟は今年上半期の販売増加にともない雇用は一・一五%、就業時間は三・八九%、所得は七・七九%増加したとしている。