8月6日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】経済成長の兆しが見え始め活気づいている産業界だが、観光業界もその一翼を担うべく活況を呈してきた。同業界は過去十年間、不確定要素が多く浮沈を繰り返してきたが、昨年来着実な業績を上げてきており、本年上半期ではブラジルの外貨獲得で第三位の地位を確保した。元来ドル収入の目玉産業だけに業界も今後に向けて意気込んでいる。
観光省の発表によると、昨年の外国からの観光客は四百九十万人で前年比八%の増加となり、これら観光客が国内で消費した金額は三十三億八千五百万ドルで、前年の三十一億二千万ドルに比べ八・四五%増となり、過去十年間で最高を記録した。本年に入っても上昇機運が続いている。
中銀によると、今年上半期の外貨収入で観光は十六億二千五百万ドルで第三位にランクされている。トップは大豆輸出の三十億三千万ドルで、次いで大豆粉の十七億三千万ドルとなっている。観光での収入は昨年六月以来顕著で、月間二億ドル以上で安定しているという。今年三月はこれまでの最高の三億八百万ドルだった。今年最低の六月でも二億四千百万ドルの外貨収入となった。
観光客一人当たりの一日の消費額は一九九九年までは七十ドル以下だったが二〇〇〇年は八十四・三八ドル、〇一年は減少して八十一・二一ドルとなったが翌年〇二年には回復して八十六・一七ドルへ、〇三年はさらに二・二%上昇して八十七・九九ドルとなった。
観光省ではこれを受けて、来年はさらに観光客を誘致するため外国の観光事情を調査中とのこと。手始めにチャーター機の増便が必要だとしている。これによる観光客は〇二年に十万一千人、〇三年は十七万二千人だったが、今年六ヵ月間ですでに十五万一千人となっており、その効果は大きいとの認識を示している。これを利用し、日本や中国などアジア圏内からの観光客の誘致に尽力したい意向だ。