8月7日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ市長候補らによる第一回公開討論会が五日夜、テレビ・バンデイランテス局で七人の候補者が出席して行われた。討論は各候補者が対立候補に質問や批判を交わす形式で進行。各候補とも現職のマルタ候補(PT)の政治姿勢を追及するのに終始し、同候補はやり玉に上げられた感じとなった。しかし同候補をはじめ出席者全員が意を得たとして満足感を表明した。
出席者はルイザ・エルンジーナ(PSB)、パウリーニョ(PDT)、アニバル(PRONA)、ジョゼ・セーラ(PSDB)、パウロ・マルフ(PP)、マルタ・スプリシ(PT)、シロ・モウラ(PTC)の各候補。IBOPEの調査によると、視聴率はピーク時で九・一ポイント、放映時間を通しては六ポイントから八・五ポイントで、同時間帯のグローボ局やSBT局を下回った。
くじで第一指名権を得たマルタ候補が、元市長のマルフ候補にサンパウロ市の財政赤字の責任を追求した。マルタ候補は「マルタ市長時代に赤字となり、その後のピッタ政権で膨れ上って現在に引き継がれたが、その責任の所在を如何に説明するか」と問い正したのに対し、マルフ候補は「私が市長を辞めた時の赤字は五十六億レアル、ピッタ政権は百四十五億レアル、しかし現在は三百億レアルになっている」と反論、原因は前PSDB政権の金利政策にあるが、現PT政権にも何ら改善の傾向が見られないとし、マルタ候補を攻撃しながらセーラ候補もチクリ。さらに、この一年半で五千人の職員登用で三億レアル、ノーヴェ・デ・ジューリョ通りのバス路線に二億レアルを散財、「こんな無駄使いをあと四年もやられたらたまらない」とバサリ。
続いてセーラ候補とパウリーニョ候補の質疑応答は、お互いの政見を引き出すシナリオ通りの展開で、傍聴席から苦笑がもれた。ただセーラ候補はこれまでの市政権で保健政策がおざなりになっていたと批判し、元保健相だった自身のスローガンを強調した。エルンジーナ候補はゴミ税の新設を痛烈に非難すると共に、今回の統一選挙では党ぐるみの不正資金の流れなど、PTに選挙違反の疑いがあると指摘した。
討論を終えた各候補は選挙参謀陣営とともにコメントを発表、いずれも〃我が党の勝利〃を宣言した。