エコノミーア

8月11日(水)

  スニーカー(運動靴)は、すっかりブラジル人の生活に定着し、十人に八人が持っている。値段は十レアルから一千レアルと幅広い。スニーカーの年間売上高は六十億レアル、数量は三千二百万足。その他に露店で売られる海賊版がある。一足二百レアル以上のステータス・スニーカーは一千三百万足。往年の大手であったアウパルガッタは、日本のミズノと技術提携し、スポーツ専用で失地回復を狙っている。
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 為替の安定でクリスマス用食品の輸入に拍車がかかり、輸入業者は昨年の一二%増の注文を発注した。乾燥果実は世界的不作であったため、昨年より一五%割高となっている。さらに輸入業者は昨年比三〇%増の大量消費を見込んで、フランスのワインの他、アルゼンチンやチリにも大量発注をした。今年は景気と所得回復、雇用改善、為替の安定と三拍子そろった。     ◎
 大手商社百社はブラジルの貿易で最大のネックは、お粗末な港湾設備と四八%が答えた。関税外障壁が問題と答えたのは、一八%に過ぎなかった。
生産の問題は、一三%だった。港湾設備の老朽化のために業者が被る損害は、年間二十億ドルとされる。ブラジルが過去三年間、長期輸出契約に踏み切って以来、輸出が激増した。物流システムは、旧態依然で改善されていない。
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 アルゼンチンのキルチネル大統領は、冷蔵庫戦争に続いて靴戦争の準備に入った。隣国の業者は、〇四年第1四半期にブラジル製の靴が昨年同期比で七八%増加したと訴えた。洪水のように押し寄せるブラジル製品を押さえるのが精一杯。隣国の業者は、ブラジル製靴のボイコットと不買運動を計画している。そうなると、ブラジル製靴に貫禄と優越感を感じさせる不思議な魅力が出てくる。