8月13日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ブラジル空軍司令部は十一日、エンブラエルに改良型戦闘機五十三機を発注したことを明らかにした。購入代金は総額四億レアルで、納入期限は五年後の二〇一〇年。これを受けてエンブラエルは来年一月に一号機の製造にとりかかる。〇七年から〇八年にかけて新型戦闘機の編隊が配備され、これによりブラジルが現在強化している国境警備の体制は一段と力を増すことになる。
改良機はAMXA―1と名付けられ、現有のAMXに最新のコンピーター、レーザーなどが搭載される。AMXは八〇年型で、イタリアと共同で開発され、全量三千八百キロの武器や弾薬を搭載できる。イタリア空軍は百二十機を有し、九九年のコソボ紛争には全機を投入、成果を挙げた実績を持つ。
エンブラエルは小型機では世界で評価が高く、先にもアメリカと大量の受注契約を交わした。今回の改良機は独自の技術で使用する一〇〇%国産戦闘機となる。本体は現有と大差はないが、最新機器や対空ミサイルなどのコンピューター制御装置も取り付けられる。改良の目玉は、空中給油できることで、これにより中南米はもとよりカリブ海、大西洋ひいてはアフリカまでノンストップで飛行が可能となる。
小型一人乗り戦闘機は全長十三・二三メートル、翼長が九・九七メートルで三十ミリの機銃掃射のほか、両翼に射程距離三百キロの対空ミサイルが装備されている。
空軍では昨年から十時間に及ぶ国内上空横断飛行の訓練が行われており、今回の改良機の発注にともない、パイロットの訓練や機内栄養食の開発も同時に行われる。