騒音に悩まされるサンパウロ市民=マンハッタンに次ぐ喧騒=月2千件の苦情に対処できず=隣人の騒音解決は冷静に
8月13日(金)
【ベージャ・サンパウロ誌七月二十一日号】騒音は都会のシンボルと割り切る人もいるが、不眠症で悩む人も多い。市当局には月二千件の苦情電話が殺到するが人員不足で対処できないのが実情。警察にも今年上半期に一万三千件の告発があったが、権限外で取締まることができない。騒音規制は各居住区によって異なるが、七月二日の市議会で、より厳しい新条例が承認され、マルタ市長の裁可待ちとなっている。サンパウロ市中心部は世界でもニューヨーク市のマンハッタンに次ぐ第二位の喧騒都市にランクされている。同誌が市内三十カ所の騒音を計ったところ、WHO(世界保健機構)の規定にパスしたのは三カ所のみだった。
サンパウロ市では騒音防止条例に反した場合、三千五百五十八レアルから二万一千三百五十一レアルまでの罰金が科せられる。市当局は電話156番で苦情や告発を受け付けているが、現在月平均二千件の告発に対して行政監督官が三十人しかおらず、対処しきれないのが実情。いっぽうで警察の190番にも今年上半期で一万三千件の取締り要請があったが(190電話全体の二・二%)、権限外で手の打ちようがないという。
WHOが騒音の基準として示しているのが五十五デシベル(音響測定単位)だが、同誌が市内三十カ所を測定したところ、この基準以下は三カ所のみだった。ベスト・ワンはアラサ墓地の四十六デシベル(日曜日午後四時五十七分)、次いで仏教寺院セントロ・ダルマ・パスの五十デシベル(同午前十一時)、三位はイビラプエラ公園の五十四デシベル(同午後十二時五十三分)で他は全て六十デシベルを超過した。
ワーストは順に、フィットネスクラブの九十七、軍隊のヘリ基地九十六、コンゴーニャス空港のボーイング離陸時九十一、シダーデ・ジャルジンの道路工事八十六、ウニベルサル教会(ベラ・ヴィスタ区)の礼拝八十三、チエテ駅内のメトロブレーキ音八十三、市営バスのエンジン八十二などだった。
アメリカの雑誌によると、世界の喧噪都市のトップはニューヨーク・マンハッタン街の八十デシベル、次いでサンパウロ市のパウリスタ大通りとブリガデイロ通りの交差点で七十九、同じくパリ七十九、香港七十八、シカゴとボストンが七十一となっている。
現在サンパウロ市では、各区域によって騒音規制が異なる。一例を挙げるとレプブリカ・ド・リバノ大通りの区域は午後七時から翌朝七時まで四十三から七十デシベルとなっている。これを全市内で統一して四十五から六十五デシベルとする新条例が七月二日の市議会で可決され、マルタ市長の裁可を待って施行される。騒音防止令でユニークなのは、千五百年前にイギリスのエリザベス女王が午後十時以降に亭主が妻に暴力を振るうことを禁じたもの。妻の金切り声と夫の怒号が安眠妨害だというものだった。ニューヨーク市では先月、一日一千件の騒音の苦情に堪え切れず、パトロール中の警官に騒音発生現場を摘発し、四十五ドルから二万五千ドルの罰金を科す権限を市長が与えた。
隣人あるいは区域住民の騒音に関するトラブルは後を退たないが、関係者は感情的になると思わぬ惨事に発展する可能性があるとして、冷静な話し合いによる解決策を講じるようアドバイスしている。とくに犬の泣き声のトラブルが多い。ブルドッグの咆哮は百五デシベルに達する所以である。犬のしつけが義務づけられていることを飼い主に解らしめるのが肝要である。
このほか他人に迷惑をかけないマナーとして、エレベーター内での会話や携帯電話の使用は控えること。映画館内でむやみにピポッカなどを食べないこと。レストランでは遠くに座った人と大声で話さず傍らに寄って小声で話すこと。夜外出する時は子供を同伴しないことなどを挙げている。小事は大事につながるため、常にマナーに注意すれば市内の騒音トラブルも減少すると関係者は強調している。