8月13日(金)
「かつてはプロペラ機だったサンパウロ―リオ間をジェット機が飛ぶなんて」
熾烈な報道合戦に明け暮れたかつての地の変貌ぶりを、こう語るのは日経アメリカ社社長の和田昌親さん(56)。日本経済新聞の第3代サンパウロ支局長だった和田さんは11、12の両日に行われた「実業のブラジル」誌創刊45周年の講演会に特別ゲストとして招かれた。講演する堀坂浩太郎上智大教授は、前任のサンパウロ支局長。
1982年から85年の在任中、フォークランド紛争の取材やメキシコに端を発し、ブラジルなどに飛び火した債務危機などを精力的に取材した。和田さんは「失われた10年の入り口だった。1つの国が借金を返せないなんていう想定外の事態に巡りあえた」と振り返る。
離任後、ニューヨーク支局や欧州総局長などを経て、今年4月に同社社長に就任した。「ブラジルの情報は日本で不足しがち。かつてあったブラジル特集のようなものを再び、と考えています」
日ごろ遠ざかるポ語はさび付いたと笑う和田さんだが、ブラジルへの思いは変わらないようだ。 (記)