8月17日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】サンパウロ州での犯人検挙率がわずかに五・二%であることが当局の調べで明らかになった。しかも犯罪発生件数の六〇%が被害届けを警察に出していないことから、犯人が警察に逮捕されるのは実際には二%にしかならないとのショッキングなデータが発表された。
さらに犯罪発生件数の一七・二%しか捜査が行われていない。いっぽうで刑務所の収容人員は十万人といわれ、服役者の増加で年間二十万人に達すると予想されているにもかかわらず、検挙率が低いということは、いかに犯罪が横行しているかを示していることになる。
今回バストス法相が重刑罪の見直しを発表したことをめぐり、関係者の間で賛否両論が巻き起こる中、サンパウロ州治安当局が実施した調査によると、逮捕されて刑務所送りとなった囚人は一九九六年の六万二千四百二十九人から二〇〇四年現在の十二万九千三百四十九人へと一〇七%増加した。にもかかわらず、警察による検挙率は現行犯も含めわずか五・二%となっている。
当局によると、今年第2四半期の登録犯罪は四十八万五千七百八十件で、このうち捜査の対象となったのは八万三千七百七の一七・二%のみで、この結果逮捕されたのが二万五千四百三十七人の五・二%だった。ただし犯罪被害者の六〇%が警察に届けを出さず泣き寝入りしていると見られていることから、検挙数は実際にはさらに低くなっている。
検挙された犯人は逮捕歴のあるいわゆる前科者で、警察では犯罪の手口やブラックリストから犯人を割り出す従来の古い捜査方式に頼っている。そのため関係者らは科学捜査やデータの収録、情報の一本化などの改良が急務だとしている。また、再犯が多い中、今回法相が提案している重刑罪に対する刑罰の軽減で犯罪者が短い刑期で釈放されることを危惧する声が強まっている。