8月18日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】サンパウロ州の雇用が六月と七月に急速な伸びを示したことから、サンパウロ州工業連盟(FIESP)は本年の伸び率を四%へと上方修正した。これにより七万人の雇用増大が見込まれる。当初予測は六万人だった。
今回の上方修正は過去二年間の失業(七万三百人)の完全回復を意味する。また、先ごろ政府が本年のGDP(国民総生産)を当初の予測を上回る四・五%ないし五%へと上方修正したばかりで、サンパウロ州の雇用増もこれに追随した形となり、国民の収入アップと共に明るい話題となっている。
同連盟が調査した結果によると、加盟四十七業種のうち二十八業種が新規雇用増、八業種が現在維持、十一業種が人員削減とした。なかでも内需向け業種の自動車、靴、衣料品業界の新規採用が〇・一二ポイントとトップになったことで、国内景気の復帰が顕著だと見られている。次いで家電や音響業界が〇・一〇ポイント、飲料が〇・〇九ポイント、化粧品が〇・〇八ポイントと続いている。業界では国内販売のピークとなるクリスマス商戦を控えて向かう三カ月間は製造に拍車がかかるため、この期間にはさらに雇用が増大すると予測している。
同連盟によると、六月に入って急激に新規採用が増え、一万二千百二十四人となった。これは一九九四年以来単月では最高。さらに七月は一万千七百五十六人で、この二カ月で二万三千八百八十人となった。本年七月までの雇用が四万一千八百四十七人と、昨年比二・七三%増となったが、この半数が六月と七月で充当された。
今後の見通しについて同連盟では、前述のように十月までの生産ピーク時までは安定雇用に問題はないとして、例年落ち込みを示す十一月、十二月もさほど変化がないと楽観的見方をしている。現在の生産状況で個人の所得も増収となり、さらに十三カ月給料やボーナスで、いわゆるフトコロが温かくなる。消費が増大することで資金の流通が活発となり、金利も抑制されると見ている。この結果、さらに経済が活況を呈するとの見方を示している。