8月18日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月二十五日】カンピーナス大学(UNICAMP)経済学部の学生が経営学の実地訓練で会社経営を営んでいる。十五年前にフランスで行われた実習法を同大学でも取り入れ始めた。現在は当初の百倍に上る若き起業家が、会社経営に挑戦している。
新進の学生社長を情報交換や調査、プロジェクトの立案のために、訪れる大企業や多国籍企業の代表は多い。若き学生社長は、すでに大手などに就労する多くの先輩を持ち、ネット・ワークやコネクションも豊富。従来の固定観念にとらわれず、戦略発想も斬新だ。
相談料は相場の半額で、小零細企業から重宝がられている。開発した新商品が棚にビッシリと並び、企業の注文により日の目を見るのを待っている。これら学生社長が経営する会社は六百社あり、非営利企業だが〇三年には四百五十万レアルの収益を上げた。
原則として学生社長以下、役員は無給。教授は定期的に会社を訪問しアドバイスを行う。学生社長は大学卒業後、自社を引き続き継続する。処女航海の冒険を知らないで、太洋に乗り出している。就職活動の悲哀もない。苦手な税法や狡い顧客の扱いも、学生社長時代に体得している。
多国籍企業は学生社長の起用を、人材発掘には最高の方法と評価している。学生社長は発想がユニークで、輸入代替製品を次々考案する。資本財で輸入代替ができるとメリットは大きい。八〇%の経費節約になる例も少なくない。