連警、為替業者63人を逮捕=7州8都市で摘発=200億ドル不正送金にメス=政府要人にも矛先迫る
8月19日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】不正資金の洗浄では過去最大の摘発作戦が十七日、連邦警察によって七州八都市で決行され、六十三人の外国為替業者が逮捕された。最大の黒幕は、サンパウロ市を根城とするバルセローナのトニーニョことアントニオ・O・クララムント。一味は九七年から〇二年までに、二百億ドルを外国へ不正に送金した。連警はさらに不正送金を依頼した顧客も拘束し、米検察庁の協力で資金の背後にある組織も洗い出す予定。
サンパウロ州の為替業者だけで百三十三人に逮捕状が十六日に出され、不正送金に関する過去最大規模の捕り物劇は、連警職員八百人を動員した。次は為替業者に癒着する政治家や事業家、政府官僚などの要人に捜査の手が及ぶ。こうした顧客らの背後で糸を操る組織と人物を絞り出す予定だ。
今回の摘発はニューヨーク市のビーコンヒル社(BHSC)が旧パラナ銀行を舞台に操作を行った違法取引にあやかって「丘の灯台」作戦と命名され、一年前から準備捜査が行われた。BHSCが扱ったブラジル関係預金者の口座取引は、全て偽名で行われた。同社はサンパウロ市パウリスタ大通りに支店を有していたが、議会調査委員会(CPI)から閉店を命じられた。
BHSCは、為替業者との間で設立されたホールディング企業であった。捜査には米検察庁と米連邦捜査局(FBI)も協力し、同社がパナマとの間で行い有罪判決を受けた不正取引の書類が、ブラジル当局へも送られてきた。
米国は、三カ国が国境を接するフォース・デ・イグアス市を中心とする地域をテロ組織の資金運用拠点とみて神経を尖らせている。米政府は同地域発の不正送金については、銀行口座の開示に優先して応じる。
「丘の灯台」作戦は、旧パラナ銀不正捜査の姉妹編といえる。旧パラナ銀のニューヨーク支店にブラジルの政治家が多数、口座を有していたことを米政府は熟知している。ブラジル要人の不正送金は、テロ組織の不正送金に悪乗りしたともいえそうだ。
旧パラナ銀の閉鎖に伴ってブラジルの不正資金預金者は、チェース・マンハッタン銀行に開設しているBHSCの「乗合バス口座」へ乗り換えた。乗合バスでは各預金者がコード番号で整理され、送金者や受取人、名義賃貸者、不正資金の類別、汚職、公共工事の水増し、密輸、麻薬などが同番号によって分類されている。
今回の「丘の灯台」作戦で逮捕されたのは、サンパウロ州が二十三人と一番多く、続いてミナス州の十五人、リオ州九人、パラー州八人、アマゾナス州三人、ペルナンブッコ州三人、パライバ州二人。ミナス州の逮捕者の中には、ゴベルナドール・ヴァラダレス市で勤務の連警捜査官も含まれている。
しかし、サンパウロ州では百三十三人に逮捕状が出されたのに、捕まったのは僅か二十三人。リオ州は二十八人の逮捕状に対し九人逮捕と少ない。前以て内部情報が漏洩した疑いが持たれている。パラナ州当局は情報が筒抜けであったため、同作戦に参加しなかった。