8月20日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ市西部アルト・デ・ピニェイロス区で十四歳の児童が誘拐されたが、十五日後に身代金が支払われ解放された。
誘拐は三日午前、児童が自宅から四百メートル離れた学校に徒歩通学する途中で行われた。警察は事件の性質上公開せずに捜査を続け、犯人の目星はついているという。同じく誘拐された十二歳の少女が警察により七十日ぶりに保護されるという事件が六日に起きたばかりで、市内の学校では警備を強化するとともに生徒らに自己防衛を徹底させている。
今回の誘拐は市内でも中産階級といえる住宅街で、誘拐された児童の自宅と同じ通りに州保安長官も住んでいる。児童は通学の途中、二人組にコルサ車に押し込まれ拉致されたという。付近には散歩やジョギングする人が大勢いた中での出来事だった。
犯人らは当初百万レアルの身代金を要求したが、コンサルタント会社経営の児童の父親が巧みに交渉した結果、短時間のうちに一万二千レアルで妥結できた。児童は支払い後、同区近くのスラム街で解放され、タクシーで自宅に帰ってきた。警察は犯人が誘拐には素人だとみて、近日中には逮捕できるとしている。
市内の学校、とくに同区内ではこれを受けて警備に万全を期すとともに、誘拐に対する自己防衛策などを授業に取り入れ、生徒らに討論を行わせている。さらにスクールバスに衛星通報システムを付けたり、送迎車を学校敷地内に入れるなど、警備の強化を図っている。