ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 鳥害に悩むトン・ジョビン空港=敷地内に66種類が生息=リオ

鳥害に悩むトン・ジョビン空港=敷地内に66種類が生息=リオ

8月20日(金)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】世界各地、特に海岸沿いの飛行場では鳥との衝突や接触事故が大惨事を招くことがあるため、パイロットは神経をとがらせている。リオ市のトン・ジョビン空港(旧ガレオン)もこの例にもれず鳥害に悩んできた。
 同空港は世界三大美港の一つに挙げられるグアナバラ湾に面していることから、海と緑を根城とする鳥が生息している。空港敷地内は休息や巣作りに絶好の場所となり、関係当局の調査では、六十六種類が生息しているという。このため同空港管理局では、鳥の追い払い作戦を昨年から実施し、徐々に効果を上げてきた。空軍によると、時速四百キロで着陸しようとしている飛行機に体重一・五キロのハゲタカが衝突した場合、その衝撃度は七トンに及び機体への損傷はいちじるしいという。こうした事故による損害は昨年度六百万レアルに達した。
 昨年から実施した追い払い作戦は、鳥の種別ごとの習性調査から始まり、空港敷地内の森林や芝生などの刈り取り、近辺のゴミ捨て場を一掃して、鳥の巣や休憩場所を失くすとともに、えさを根絶した。本年一月以降の事故発生件数は百五十七件。このまま推移すれば年末には三百十四件に上り昨年の三百四十三件を下回ると予測できるので、追い払い作戦は功を奏していると評価されている。
 リオ市の空港以外でも動物による被害が報告されている。クリチーバ空港では滑走路脇に野うさぎが巣穴を作ったために地崩れが起きている。マナウス空港でも地崩れが起きているが、この原因は蛇。サンパウロ空港はリオ市同様、ハゲタカの大群に悩まされている。