8月20日(金)
「若い人が農業を出来る余地が、ここにはある。ブラジル農業の底力を感じて欲しい」。第三回日系農村青年セミナーが十九日から始まり、サンパウロ市内ホテルで行われた開会式でJATAK全国拓殖農業協同組合連合会サンパウロ事務所の馬場光男所長は、青年農業者を前に力強く語った。
同セミナーは、ブラジル日系農協唯一の中央会であるブラジル農業拓殖協同組合中央会(原林平会長)と、日系人農業者への支援を行うJATAKが共催し、若い日系農業者の育成を目的に行われている。
「今日集まってもらった方は、苦労の多い疎開地での生産者が多い。今回のセミナーで学んだことを生かして欲しい」と、農拓協の岩城修専務理事が挨拶し開会式が始まった。
式には、リオやミナス、パラナ、サンパウロ各州の単協会員や関係者ら約五十人が参加した。
サンパウロ総領事館の山口克己領事は、「農拓協がこのように日系農業者の力の再結集を図っておられることは大変すばらしい」と語り、JICAサンパウロ支所の石橋隆介次長は「ブラジルの農業は、勤勉性と向上心を持つ日系人が支えている部分が大きい」と、青年農業者へ激励の言葉を送った。また、セミナーへの期待に胸をときめかせている様子の、青年農業者による自己紹介も行われた。
十九日はサンパウロ市内ホテルにて野原哲郎さん、アントニオ・エリオ・ジュンケイラさん、宮坂四郎農学博士による講義。受講後、受講者が成果発表を行い、それに対し森エリオさんから批評とアドバイスがなされ、受講証書が授与される。
二十日は、サンパウロ州レジストロ市の野菜生産者、製茶工場を視察、移民資料館とレジストロ日伯文化協会(山村敏明会長)を見学する。