8月21日(土)
サンパウロ市中心部で十九日に発生したホームレス連続殺人・暴行事件で、被害者らをよく知る市民は一様に、彼らはもめごとを起こす人物ではないと証言している。商店主は銀行への使い走りも頼んだりしたという。また彼らは街路の掃除を率先して行い、住民から食事やカフェを貰っていた。殺人暴行現場には、マルタ市長が供花したり、市と州が責任のなすり合いを始めたことで、それでなくとも衝撃を受けた市民はこれを政争のネタとして選挙合戦に利用している陣笠連中を苦々しく見ている。
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在サンパウロ・スペイン総領事館に十五日早朝、自動小銃や機関銃で武装した十五人が鋼鉄製の天井を破って侵入、警備員を取り押さえてアラーム・システムを切断した。一味は金庫二個を破壊して旅券一千四百冊と査証用印紙六百枚を奪って逃走した。監視カメラからは録画テープを引き抜き、持ち去った。リオ市のスペイン総領事館が昨年十月に襲われ、同国領事館は警備システム変更を検討していたが、後手となったようだ。
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サンパウロ州都市圏鉄道公社(CPTM)A線のピリトゥーバ駅とヴィラ・クラリーセ駅の間で十九日未明、架線が六十メートル盗まれた。そのため同線は始発から不通となり、同公社はバス三十台を出して代替輸送を行ったが、午前八時十五分に復旧するまで約七万人が影響を受けた。今年上半期には七千八百メートルのケーブル類が盗まれ、被害額は二十七万レアルに上る。
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サンパウロ州データ分析システム(Seade)の調査によると、サンパウロ市ピニェイロス、アルト・デ・ピニェイロス、ジャルジン・パウリスタ、イタイン・ビビの各区で社会基盤が最も整備され、かつ六十歳以上の人が最も多く住んでいる。ピニェイロス区は十五歳以下の人口も最も少ないため、高齢化が最も進んだ区とされる。殺人による死者が最も少なく、上下水道、ゴミ収集が最も行き届いているという。