8月24日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】ブラジルの公務員とくにエリート官僚は世界でもトップクラスの高級取りで、相変わらず「官僚たちの夏」を謳歌し、冬の到来を知らない体制を維持している。
公務員の本給は世界の平均に準しているものの、補助金、扶助金が本給の四〇%以上となっていることから、北米を含むラテンアメリカ、カリブ圏内ではメキシコに次ぐ高級取りとなっている。これらは不透明な部分が多く、国民の目にさらされることなくお手盛り案で支払われるので、外部には判りにくい状態となっている。バストス法相が十六日に、司法官は世界でも希有な高級を取っていると初めて公の場で非難し、物議をかもしている中、公務員の収入の実態が明らかにされた。
米州開発銀行(BID)がこの程ラテンアメリカおよびカリブ諸国の公務員の給与体制を調査した結果、ブラジルのいわゆる高級官僚は、ランキングでメキシコに次ぐ第二位となり、イギリスやアメリカの先進国をもしのいだ。基本給そのものは世界平均の公務員と格差がないものの扶助金が基本給の四〇%を超えている。
例えば三等書記官クラスは本給が六千三百六十三レアルで、十三か月給料および有給休暇分が七百五レアル、そして種々の補助金および扶助金が三千七百四十二レアル支払われ、月額合計は一万八百十一レアルの所得となる。このプラスアルファの扶助金は、その上のクラスの大臣、次官、二等書記官と一率同額である。
いっぽう上下院議員は本給一万二千八百四十七レアルだが、諸手当を加えると二万三百二レアルになる。このほか年一回議会出席手当てとして二万五千六百九十四レアル(交通費は含まず)さらに事務所運営費(秘書などの給与も含む)が月一万二千レアルとなっている。バストス法相が糾弾した最高裁判事は本給一万六千五百三十五レアルで、諸手当てを含めると月総額一万八千八百五十九レアルとなる。これは日本のレベルの三倍に当たるという。
関係筋によると、手当ての内容は総務庁あたりで一般下級公務員用に設定して認可を受けた後、中級、上級へと適用されていく仕組みだという。つまり国民はツンボ座敷に置かれている訳である。