63種の殺虫剤、使用禁止に=神経障害や小児マヒの恐れ=家庭の買い置き品は薬局で確認を
8月25日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】政府は二十三日、六十三種類の殺虫剤の製造、販売および一般家庭内での使用の禁止を発表した。これを受けて衛生監督局は同日、商品名のリストを公表した。
この措置は、リオグランデ・ド・スル州の連邦裁判所が人体に害を及ぼすとして同殺虫剤の使用を暫定的に禁止としたことを受けて、政府が決定するに至った。これらの製品には有機りん系統のクロルピリフォスという化学物質が使用されており、これを人間が吸い込むと神経障害や小児マヒあるいは児童の発育不全の原因になると、衛生監督局は指摘している。
禁止製品はゴキブリ退治を含む殺鼠剤、白蟻を含む殺蟻剤が主で、一般に広く知られているバイゴン、ロドックス、SBPなども含まれている。とくにバイゴン社のゴキブリ用殺虫剤〃バイゴン・マッタ・バラッタ〃は、二〇〇三年十一月に製造元のバイエル社が製造を中止するとともに、国内での製造登録を抹消している。しかし監督局は商店あるいは家庭内に在庫が残っていることを考慮し、あえてリストに組入れたとしている。
禁止措置は二十三日から実施となり、商店では店頭からの撤去が義務づけられた。これに違反した場合、最高で百五十万レアルの罰金が科せられる。悪質な場合は営業停止処分もあり得るという。このため向う数日間は衛生監督官が市内の販売店をパトロールする。
保健省では〇二年以降、この種の化学物質の分析を行っており、昨年は農地での使用を禁止したが、家庭内での使用禁止は初めてとなる。アメリカでは昨年から使用禁止となっている。
これらの商品は店頭から姿を消すが、一般家庭で買い置きの在庫がある場合、最寄りの薬局に禁止リストが配布されているので、リストと照合することを当局はすすめている。