8月26日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】アウキミンサンパウロ州知事は二十四日、PT政権は財政政策に極端な中央集権主義を採り国民の支持を取り付けることで、軍政時代の様相を強めていると批判した。サンパウロ州知事を始めネーヴェス・ミナス州知事、リゴット南大河州知事は、政府の地方自治体弱体化政策を非難した。すでに税制改革で財政難にある地方自治体に、公務員年金の最高裁判決が追い打ちを掛け、州政府に財政破綻を来したと主張している。
地方自治体を弱体化させ、政府が財政的に君臨することで国民の支持を取り付ける手法は、軍政時代への逆戻りだと三州知事が非難声明を発表した。政府は州市財政の弱体化をもたらす一連の暫定令を更に準備中であり、PT政権は信じ難いことを進めているとサンパウロ州知事は述べた。
リゴット南大河州知事は、ルーラ政権をヴァルガス元大統領の革命政権の「現代版」と位置付けた。ヴァルガス政権は報道管制を敷き、徹底した中央集権体制を築き、地方自治体の機能を停止させた。現政権はまさにその轍を踏んでいる。地方自治体の運命は未来の中央政府に託され、生殺与奪の権を奉納することになると非難した。
ネーヴェス・ミナス州知事は、ルーラ大統領がヴァルガス独裁体制の復活を試みるとは信じ難いと述べた。しかし政府は、税収の七二%を独占することで地方自治体を財政的に支配し、政治的服従を強要しているのは事実だと訴えた。現時点では連邦令への抵触はないが、民主主義はか弱い花弁である。政府が虚を突いて強引な手法を執るなら、連邦令が空文化される危険性は否めないと警告した。
ジルセウ官房長官は、旧パラナ銀CPI(議会調査委員会)の背後で糸を操っているとささやかれたのに続き、サンパウロ州知事がPT政権を独裁政権化と批判したことで怒り心頭に発した。同長官は、「ヴァルガスとアレンデの死」を上梓した獄中時代の盟友、タヴァーレス記者と国会図書館で談話していたときにPT独裁政権批判の報告を受け、サンパウロ州知事を攻撃対象リストに加えると同記者に漏らした。
現政権が独裁政権への道を突進しているという批判を受けたことで、PT党内も穏やかではない。政府は州と対話すべきだとクーニャ下院議長が提唱。また対話はようやく始動した経済活性化の腰を折るとして、回復が本格化してからとする意見もある。
地方自治体は税収の山分けが不公平だと、歴代の連邦政府と長年争ってきた。それがPT政権に入って、最悪になったと知事らは不満を募らせた。アウキミンサンパウロ州知事は、瀕死状態の州財政を尻目に財政黒字を優先する政府の強引さを、最近発生した路上生活者撲殺事件の犯人に例えて批判した。
退職公務員からの社会保障負担金徴収に関する最高裁判決は、地方自治体にとって泣き面に蜂だった。州にとっては、最高裁裁決といえども飲めない話だ。同裁決は〇三年十二月に逆上って適用される。すでに徴収した分は返還を余儀なくされ、州財政には思いがけない負担がかかるからだ。